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2021.02.26

月刊コマ送り22「酒飲み音頭」

 

日本全国酒飲み音頭、という歌がある。

 

大工の棟梁をしていた祖父は酒を飲むのが大好きで、寝言で「おーい!酒飲もかー!」と叫び、その自分の声で飛び起きたという伝説もあるほどだ。(※実話です)

 

そんな祖父は、焼酎を飲みながら、いや飲んでいないときでもよくこの酒飲み音頭を口ずさんでいた。

 

この日本全国酒飲み音頭、ただひたすら何かにかこつけて「酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ」というだけの、酒飲みの酒飲みによる酒飲みのための音頭だ。私は1番しか知らなかったが、今回この文章を書くにあたって歌詞検索をしたらなんと2番まであった。世界一くだらない愛すべき歌だと思う。

 

ちなみに1番では1月から12月まで、例えば1月は正月で酒が飲める、2月は豆まきで酒が飲めるというふうに進んでいく。11月にいたっては「何でもないけど酒が飲めるぞ」とのたまっていて、たぶんこのときには歌うほうもすでに酔っているんだと思う。父も私もこのくだらない歌が好きで、歌詞にはないけど酒が飲めそうなイベントだったり誰かの誕生日だったりを勝手に織り交ぜて歌っていた。まだ酒が飲めない年齢のときからこれだけ刷り込まれていたことに今さら気づいてゾッとしている。

 

1月、福岡でも雪が積もった。

 

寒いのは苦手だが、雪が積もるなら話は別だ。いそいそと厚着をして外に出て、誰かがつくった雪だるまの姿を撮ってまわった。雪の夜に2時間も歩きまわっていたので、見知らぬ住宅地を散策しているときに急にドッと疲労感に襲われ、もうひとつの目的を果たせなかった。

 

雪見酒。

 

雪が積もる日に、それでもまだ降る雪を眺めながら、そのへんのコンビニでカップ酒を買って(あわよくばレンジであたためてもらって)飲む、というチープな楽しみ方をしたかったのだ。翌日も積もるほど降ることを期待していたが、残念ながら来冬に持ち越しとなった。

 

それならば、と次の楽しみを考えることにした。

 

2月といえば梅の季節だ。

 

桜の花見よりすこしはやく、梅見酒をしよう。梅の花を見ながら梅酒を飲もう。

 

ということでさっそくいってきました、梅見酒。

春の陽気に誘われて、梅の実が入ったカップ梅酒を手にいそいそと舞鶴公園へ。梅を見つつ酒を飲みつつおつまみ食べつつ、極上のだらだらを満喫した。

 

次はやっぱり桜だろうか。桜の花を浮かべたお酒が飲みたい。今日も頭の片隅で酒飲み音頭が流れている。

 

 

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