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2019.03.29

媚びない地域の新しいたまり場。 シカシマサイクルは、 今日もほどよくカッチョイイ PART02―「媚びない」だけど「寄り添う」

PART01 から読む

シカシマサイクルの魅力。

あくまでも私見であるが、
「媚びない」だけど、「寄り添う」
そのほどよい具合ではなかろうかー。


一体全体、何に媚びていないかー。


上手く伝わるか不安であるが、
ちょっと片田舎だからという空気に迎合しない
圧倒的なデザインのクオリティではないか。

 

 

あくまでもお金をかけないセルフリノベーションの空間である。
が、しかし、全体のデザインはもちろん、
テーブルや椅子、スイッチのパーツ、トイレの金具、
どれ一つとってもデザインにこだわり、
選び抜かれてつくりこんでいるのが、
少し時間を過ごすだけでだんだんと滲み出てくる。

 

 

もちろん、広報用につくられたウェブサイトもカッチョイイし、
同時に配信されている動画も手抜かりなし。

よく、インスタ映えしそうな写真に見せられて
足を運んでみて残念なこともあるが、
シカシマサイクルは、期待に十分応えてくれる場だ。

 

 

もちろん、媚びないデザインは、
空間におけるだけではない。
主催の島の餅つきの会に寄ったときのことだ。
ある面、地域的なイベントの色あいも強い餅つき。

 

 

島の人たちが大勢集まり、盛り上がっているが、
シカシマサイクルは、それに媚びることない。
つきたての餅は、その食べ方からこだわってあるし、
テイクアウトの器だってシャレたモノが用意されている。

販売というスタイルで、価格設定もしっかり。

 

 

おかげで一見さんや、サイクリストなどなど、
誰もが参加がしやすい雑多な場となっていた。

中心となって餅をついていた主犯のやだもん氏は、
まるで NY にいるファッションニスタのような 半ズボンのルックス。
島の人たちのジャージ姿とのコーディネートも抜群。

福岡の今泉にもあっていいし、
ニューヨークやアムステルダムにあっても 十分お洒落な場を、
ごく当たり前に島で展開している感じだ。

 

一方で、寄り添うところは徹底して寄り添っている。
シカシマサイクルのオープンは毎朝8時。

なぜなら、漁港に携わる人の朝は早いから。
コンビニの役目を果たすこの店は、
島の人の利用は朝が一番多いらしい。

 

 

コンビニチェーンの看板を掲げていない このお店では、
発注できる商品も限られている。
しかし、島の人たちが「コレ置いて欲しい」とオーダーする 定番商品は、
わざわざ近くの大型スーパーに買い出しに行って並べている。

IT を駆使する一方で、そんな地道な努力も厭わない。
そのバランスが絶妙だ。

 

 

売店コーナーの見える一階で お茶を飲んでいると、
思った以上に 引っきりなしに訪れる島の人をみかける。 
まるで冷蔵庫代わりのように、 さっきビールを買った同じ人が、
30 分後にメロンパンを買いにくる姿も微笑ましい。

 

 

カフェのメニューには、「島⺠」割引も設けられている。
海外からのゲストに混じって、
島⺠のマダムたちがお茶の時間を楽しんでいる。
外国語と、ちょっとくせの強い博多弁が 午後のカフェの空気を
ほどよく温めてくれている。

 

 

“島”の入り口にあるシカシマサイクルは、
その肩に力を入れすぎていない空気が、
誰もを受け入れる寛容性をもった場。
これからも、足したり引いたり、掛けたり割ったり、
変幻自在に変わっていくに違いない。

【シカシマサイクル】
〒811-0323 福岡県福岡市東区東区志賀島417−1

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